[1]シャフトのパーツについて
シャフトといっても各パーツごとに分かれており、それぞれに名称と役割があります。
パーツ1つで、性能がガランと変わってしまうほど重要なものです。
まずはそれぞれの種類について記載していきます。
1-1.タップの役割
タップとは手球に回転をかけたり、ミスキューを減らすために使用されています。
タップは唯一球に触れる部分になるので、取れたり、変形したりすることがあります。また、使用していくにつれ、タップは消耗していきます。シャフトの中でも特に重要な部分になりますので、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
(→タップメンテナンスに関しては
こちら)
1-2.先角(さきづの)の役割と種類
先角(さきづの。英語ではフェーラルとも)は球とキューの衝突時において、シャフト自体を守るという大切な役割があり、耐久性が求められます。
最近ではハイテクシャフトの研究も進み、様々な工夫が施されている重要なパーツとなっています。
1-3.テーパー(傾斜)について
見た目ではあまり分からないですが、シャフトのテーパーは各シリーズによって傾斜が違います。
バット部分から先端に向けて直線的に太い・細いものから、徐々に細くなるもの、急に細くなるものなど、さまざまな傾斜の違いがあります。
1-4.ジョイントについて
ジョイントは、シャフトとバットを一体化させるために付けられているものです。
各メーカー毎に様々なジョイントの種類がありますが、どれもシャフトとバットの一体感と耐久性を求めて開発されています。
1-5.シャフトの種類について
シャフトは現在、大きく2つの種類に分けられています。いわゆるハイテクシャフトと呼ばれるものと、ノーマルシャフトと呼ばれるものです。
ハイテクシャフトはそれまでメープル材のみで作られていたシャフトに、カーボン素材をシャフト内部に埋め込んだりといった構造的な工夫をし、「トビ」や「見越し」が軽減されるように作られたシャフトのことをいいます。
現在ではほとんどがハイテクシャフトへと移行しています。安価なキューや、カスタムキューなどの高価なキューではノーマルシャフトも多く作られています。
1-6.シャフトの素材について
シャフトの素材はメイプルでできたものがほとんどです。
なかでもカナディアンハードメープルと呼ばれるものは、硬度や弾力性、そして素材の色の美しさもあり、シャフトの素材の定番となっています。
その他にはグラスファイバー製や、オリジナルの加工素材を使用したシャフトもあります。
[2]シャフトのパーツの変化によってなにが変わるか
そもそもシャフトに違いなんてあるかなんて、ビギナーのうちは見ていてもわからないですよね。
違いがあることを初めてしった方もいるとおもいます。
そこで、[2]ではシャフトの部位の違いを説明していきたいと思います。
2-1.タップを変えるとなにが違うの?
まず第一に、タップは消耗品です。マイキューを持って、ビリヤードを続けていくうちに、一番最初にメンテナンスとして交換することになるアイテムです。
タップにはたくさんの種類があり、大きく分類すると素材・構造・硬度の3つに分けられます。
素材によって、打感(手玉と衝突した際、手に伝わる感触)は変化しますし、硬度の違いによって、手玉のキレ(手玉に与える回転量)が変わったりします。また積層タップの場合に層の数も各種様々です。
2-2.先角(さきづの)の違いは?
先角は素材によって、打感や、見越しの量などが変わってきますので、重要なパーツといえますが、初めのうちは先角を変えたからといって、なかなか変化を感じるものではありません。
ですので、シャフトを守っているということを意識して、壊れていないかなどのチェックをし、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
2-3.テーパーの違いは?
一番はフィーリング(感覚)です。
テーパーが変わると撞いたときの感覚に一番変化が生じやすいです。 手玉を撞いたときに起こるシャフト自体の微妙なしなりや、ブリッジの指の中を滑らせているときの感覚 が変化します。
2-4.ジョイントの違いは?
ジョイントには大きく分けて二種類あります。
パイロテッドと言われるものと、フラットフェイスといわれるものです。
パイロテッドとは、バッドのジョイント部分の雄ネジにくぼみがあり、シャフトのジョインと部分の雌ネジにはでっぱりがあるジョイントです。
一方フラットフェイスにはバット、シャフトのどちらにも凹凸が無く、平面になっているものです。
また、ネジの太さ、長さ、ネジのピッチなどが多種存在しています。こちらについては(
3-1.ジョイントの種類で詳しく記載しています)
2-5.ノーマルシャフト、ハイテクシャフト
シャフトについて調べていると、必ず出てくる単語というのが「ノーマルシャフト」「ハイテクシャフト」という言葉です。
これは見た目でわかるものではないのですが、玉をついてみると全く違います。
ノーマルシャフトの特徴
・ハイテクシャフトと違い複雑な内部構造を持たない分、木そのものの素材による変化が感じられ、ハイテクシャフトと比較すると、柔らかい(しなりが多い)と感じる傾向にある。
・シャフトにしなりが多いため、「トビ」「見越し」発生しやすい。
ハイテクシャフトの特徴
・メープル材を張り合わせたり(10枚張り合わせなどと言ったりする)各種加工が施されているものが多く、ノーマルシャフトと比較すると、固い(しなりが少ない)と感じる傾向にある。
・シャフトのしなりが少ないため、「トビ」「見越し」が軽減される。
[3]どんなシャフトを選んでおくのがよい?
ビギナーの方がまず悩むのはバットの部分だと思いますが、実は玉をついていて一番変化があるのは、手玉により近い
場所に当たっているシャフトの部分であり、何よりも大事な部分になってきます。
では、どういうシャフトを選んでおけばよいのでしょうか?
3-1.ジョイントの種類
2-4で大きく2つの種類があるといいましたが、そこから改良をしメーカー独自の技術で作られたジョイントがありますのでいくつか例としてあげておきます。
[Mezz ユナイテッド(UJ)] |
[Mezz ウェイビー(WJ)] |
[Mezz ウェイビー2] |
[ラジアル] |
[ユニロック] |
[3/8-10山] |
[5/16-14山] |
[5/16-18山] |
細かい違いも含めると、ジョイントというのは数多くの種類があります。
この中でジョイントのみを選んだとしても、感覚的な問題ではあまりよく分からないと思います。
ジョイントにはそれぞれの良さがありますので、初めのうちは着脱が早いからであったり、打感がよいからであったりと自分自身にあう理由を見つけ出しましょう。
3-2.ノーマルシャフト、ハイテクシャフトのどっちを選ぶ?
こちらも人によって分かれるとは思うのですが、長くビリヤードを続けたい!なるべく玉を入れたい!と思うのであればハイテクシャフトにしておくのが無難だと感じます。
これから先は、どんどんハイテクシャフトばかりが増えていくことでしょう。
実際当店のシャフト販売品は、ほとんどのものがハイテクシャフトになっており、アダム・Mezzなどの高級ラインの多くにはハイテクシャフトが付いてきます。
上級者の方ですと、どちらのシャフトを使用しても的球を入れることができ、気持ちのよい打感のノーマルシャフトを求める方もいらっしゃいますが、やはりビギナーのうちは打感の気持ちよさよりも的球をポケットに入れることが気持ちよさであり、同時にビリヤードの楽しさであると感じます。
ですので初めのうちは打感よりも、より玉を入れやすいハイテクシャフトを使用して玉をポケットに入れる感覚を覚え、ビリヤードの世界に少しずつ入り込んで行けたらよいですね。
○最後に
シャフト選びに「正解」はありません。
このページでは、あくまで一般的にそう言われているというだけで、人それぞれ選ぶ基準があり、感覚が違います。
安いキューであっても、高いキューであっても、その人にとって最高であればなんでも良いわけです!
お店で他のキューを借りたり、新しいキューを買ったときに少しでも意識してみてください。
以前使っていたときの違いや、良さ、悪さなどが分かってくることと思います。
是非、自分に合ったキューをお探しください!ビリヤードがより楽しくなることを保証いたします。